キャッシュレス化で強盗犯罪率が10分の1に!一方で新しい犯罪も出現【キャッシュレス世界NO.1のスウェーデン】
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キャッシュレス化社会が世界1進んでいるスウェーデンで強盗犯罪率が10分の1まで低下!
スウェーデンは世界で最もキャシュレス社会が進んでいる国です。そんなスウェーデンで驚きのニュースが発表されました。キャッシュレス社会が浸透して行くにつれ、「銀行強盗」の発生率が10分の1にまで激減したのです。8年前には110件確認されていた銀行強盗の犯罪数が、2017年にはたったの11件にまで下がりました。
スウェーデンのキャッシュレス社会は目覚しく成長し、2016年には、その年全ての支払い額のわずか2%のみがキャッシュで支払われたとの調査結果を、スウェーデンの中央銀行、Riksbanken(リクスバンケン)が発表しました(The Atlantic)。現在は、スウェーデン人の3分の2が、紙幣や硬貨を使わずに生活しています。それほどまでにキャッシュレス化が進んだスウェーデン社会は、まさしくIT先進国。
ところが、銀行強盗の発生数は激減したものの、別の全く新しい犯罪が横行しつつあることも同時に明らかになりました。
キャッシュレス化が進めば、フクロウが新しい被害者になる?
銀行という法人を相手にした銀行強盗の犯罪発生数が減った一方で、個人の持ち物などに対する強盗や暴行犯罪の発生率が近年に見ないほど高くなっています。スウェーデンの防犯省が行った調査では、スウェーデン人全体の15%もの人々が「強盗や暴行の被害にあった」と答えていて、効果な貴金属やスマートフォン、バッグなど、それ自体に価値があるものが狙われる傾向にあります。
日本では、人口10万人中における強盗発生数は2.4件(2014)の一方で、スウェーデンでは2015年、10万人中における強盗の犯罪数が86.5件にも上ります(スウェーデン犯罪発生率政府報告)。単純に35倍以上もの強盗発生率であることがわかります。
また、スウェーデンではメジャーでなかった種類の犯罪が、近年急速に増えてきています。最も注視されているのが、希少動物の卵や希少種の種を盗んで闇市場で売りさばく犯罪行為です。最も多くその被害にあっているのが、世界位一大きなフクロウで、「北の幻」と呼ばれるカラフトフクロウです。成体1匹12万ドル、(100万スウェーデンクーナ相当)日本円では1,300万円以上の値段がつきますが、その卵が密猟の対象になっているのです。そのほかにも希少種の蘭の種なども高い値で取引されるため、多くの被害にあっています。
また、電子上での犯罪も増加しており、結果的にスウェーデン全体の犯罪率は上昇しています。
つまり、「現金(= キャッシュ)にバリューがなくなった」だけであって、そのほかに「価値のあるものがより盗まれる」ようになったと分析されています。キャッシュレス社会が進むにつれて、強盗発生率は下がり、社会が安全になったかのように思えますが、実際はそんなに簡単には行かないということも明らかになりました。
時速80kmのトラックに積まれたカーゴから荷物を盗む、前代未聞の強盗が登場
スウェーデンでは2017年、時速80kmで走るトラックに積まれた荷物が盗まれる事件が発生しました。このような事件は漫画の中だけの話のように思えますが、実際に起こった事件なのです。
この動画は、警察と運送会社が協力して、走行中のトラックから荷物を盗む犯罪の実態を掴むために撮られたものです。犯人たちは、時速80kmで走るトラックの後方に別の乗用車で近づき、並走します。そして、その車のボンネットから荷台に飛び移り、荷物を盗んでまたボンネットを介して乗ってきた車に戻る、という手法です。一見とんでもない犯罪ですが、オランダではルーマニア人が同じ手法で500,000ユーロ(6,500万円相当)のiPhoneを盗み出したとして逮捕されています。このような事件が複数件起きているのです。
この犯罪は、'Fast and the Furious'(「映画:ワイルドスピリッツ」の洋題)と呼ばれ、新しい犯罪の形として一躍有名になりました。
このような未曾有の犯罪が起こっているのは、キャッシュレス化に伴いキャッシュに価値がなくなったことも一因です。キャッシュ以外に価値のあるものを盗んだ方が、一定の利益を得ることができるからです。便利になるキャッシュレス社会ですが、それに伴う不安因子の対策も必要です。
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この記事のライター:Maya Shinoda / ポモチ専属ライター
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