Facebookの仮想通貨「Libra(リブラ)」とは?VISAやMasterCardのクレカ国際ブランドも参画
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Facebookから仮想通貨「Libra(リブラ)」が登場!
数多くの利用者を抱えるSNS「Facebook」から新たに、仮想通貨が登場します。その仮想通貨は「Libra(リブラ、以下Libra)」と呼ばれ、20以上の国際企業が協力関係を結んで共同で出資、運営します。
Libraの特徴は、より簡単に取引できる仮想通貨という点です。Facebookは「仮想通貨の取引は、SNSでメッセージをやり取りと同じ」と発表しました。より簡単に取引できるサービスを目指しています。
「Libra」とは
Facebookが主導して運営の準備を進める仮想通貨「Libra」、主な取引方法はメッセージサービス(アプリ)を利用します。その他の仮想通貨と比べると、少し変わったシステムです。
Libraの利用に必要なアプリとして、Facebookは「Libra Wallet」というメッセージ機能つきアプリを導入する予定です。このLibra Walletは、FacebookやWhat's up?などのアプリで、メッセージを送る感覚で仮想通貨の取引ができるということです。
似たようなサービスにはLINE Payがあります。LINE Payでは、LINE Payの中で送金・着金が自由に行えます。まるでメッセージをやり取りする可能ように簡単に取引もできます。仮想通貨である「Libra」でも同じような利用用途が想定されます。が、「市場」のある仮想通貨なので、LINE Payのように単純なシステムにはならないことが予想されます。
普段利用しているコミュニケーションツールが、仮想通貨を取引するためのツールLibraにもなるのは可能性を感じます。
残念ながら、詳しいシステムの情報などはまだ開示されておらず、具体的なことはわからない現状です。ただ、Libraが他の仮想通貨と一線を画し、国籍フリーのサービスになる可能性はかなり高いでしょう。
どんな企業が「Libra」に参加予定?
「Libra」は、複数の企業が共同で出資・運営する仮想通貨です。実に20以上もの国際企業が協力を表明しています。それらの企業は多岐にわたり、様々な分野で影響力を与える仮想通貨になる見通しです。
では、どの分野のどんな企業が協力・協賛しているのでしょうか?
20以上ある企業を分類すると、7つの業種に分けることができます。その種類は以下の通りです。
- 決済
- ライドシェア(車)
- テレコミュニケーション
- NPO (非営利団体)
- E-commerce
- ブロックチェーン
- 金融
- ソーシャルメディア
一見仮想通貨とは関係のないような業種が、パートナーとして協力を表明していることがわかりますね。金融関連以外にも、テレコミュニケーションなどの業種がパートナーとして参画しています。これは、宣伝や広報などを担当するわけではなく、コミュニケーションツールの強みを利用して仮想通貨の利用促進を測る狙いがあります。では、具体的にどのような企業が名乗りを上げているのでしょうか。
決済事業者
決済関連の業種からは、私たちの生活に深く根付いた企業が参画しています。具体的には以下の通りです。
- VISA
- MasterCard
- PayPal
- Stripe
- PayU
VISAやMasterCardといったクレジットカードの国際ブランドはよく目にしますね。実際に利用している人も多いでしょう。店舗や消費者と大きな繋がりを持つこれらの企業が参画することで、より身近で馴染みのある利用方法を採用することができます。
ライドシェア
- Uber
- Lyft
世界各国で幅広く利用されるタクシーサービスです。
スマートフォンを利用してタクシーを手配することができるUberでは、オンラインコミュニケーションを利用してタクシーを手配します。このネットワークがLibraで大いに活躍する見込みです。
テレコミュニケーション
- Vodafone
- Booking Holdings
- Illiad
スマホ用SIMカードをはじめとして、通信関係を幅広く取り扱っている業種からも多くの企業が参加していますね。複数の国にまたがって事業をしている企業で、国境の概念にとらわれない情報交換、ひいては金融取引のさらなるグローバル化を進めたい考えが背景にあると見込まれます。
NPO(非営利団体)
- Kiva
- Mercy Corp
- Women's World Banking
営利目的でないNPOがこのような事業に参画していることは珍しいです。ただ、どのNPOも世界中を舞台としているグローバルな団体です。こちらも、国際的な団体のグローバルなネットワークを利用する狙いがあります。
その他の協賛企業
金融関連の業種では、以下のような企業が協賛を表明しています。
E-Commerce
- E-Bay
- Mercado Pago (MercadoLibre)
- Farfetch
ブロックチェーン
- Coinbase
- BisonTrails
- Xapo
- Anchorage
金融
- Andreessen Horowitz
- Union Square Ventures
- Creative Destruction Lab
- Ribbit Capital
- Thrive Capital
このように、名だたる国際企業が「Libra」に協力を表明しています。共通する点は、どれも世界中で事業を展開する企業で、国境を超えたネットワークを持っていることです。特に、オンライン上でのコミュニケーションを強みとする企業が手を挙げていることがわかります。
「Libra」を国籍を超えたグローバルなサービスにすることが大きな目的であると予測されます。
「Libra」を巡る批判の数々
新しく登場する予定の仮想通貨「Libra」、グローバルで国籍を問わないサービスになる予定です。
新感覚なサービスであるがゆえに、既存社会から批判が沸き起こっています。さらに、情報開示がまだ進んでいないことも、状況を悪化させています。
- Facebookとの連携はセキュリティが心配
- 既存の国際金融機関/サービスの権益が損なわれる可能性がある
- 情報開示が遅いのに、出資者を募るのには無理がある
主に以上の3点です。新たな取り組みには批判はつきものです。ところが、人々から愛されるサービスにしていくためには乗り越えなければいけません。
例えば情報のセキュリティ問題は、Facebookは以前から個人情報の取り扱いの杜撰さが問題になっていました。何人もの個人情報が流用されていたり、流出した個人情報が悪用された例もいくつも報告されました。
もし、仮想通貨「Libra」が、Facebookを基盤に取引をするサービスとして世に出れば、杜撰な情報セキュリティが利用者の不安を煽ることは必至です。信用度が高くない仮想通貨を利用したい人はいないでしょう。実体を持たないお金を取引することにおいては、信用度が大切です。サービス自体の信頼度を上げるためにも、情報セキュリティーの強化に力を注ぐ必要があります。
「Libra」は、国籍を問わない仮想通貨になる予定です。そうなると困るのが、既存の国際金融サービスです。どれだけ「国際」といっても、拠点となる場所があり、その拠点がある国の法律に従い事業を遂行します。ところが、「Libra」は完全に国籍がない仮想通貨なため、どこの法律でも縛ることができないのです。逆を返せば、足かせがない分、自由に取引をすることができ、消費者にとってより利用しやすい通貨になります。そうすると、Libraは「選ばれる仮想通貨」になり、競合他社の利益を奪うことができます。既存の金融システムの関係者は、その点を危惧し、現在新たな法整備の動きも出ています。
このように問題はまだまだ解決されていない「Libra」ですが、消費者にとっては使いやすい仮想通貨になる予定です。リリース時期や利用方法、仕組みなどはまだ公開されていませんが、近い将来公開されるのではないか、との見通しです。
SNSでメッセージを送る感覚で、送着金ができるようになる未来も近いですね。
この記事のライター:Maya Shinoda / ポモチ専属ライター
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